html> タイトル ページ コンテンツ

人生を飲み尽くす

介護大好き

特養の准看護師への有罪判決は本当に悪なのか

スポンサーリンク

長野県安曇野市の特別養護老人ホーム「あずみの里」で、2013年12月、当時85歳の女性利用がおやつのドーナツを食べた後に死亡した事故。当時、現場にいた准看護師が注意義務を怠ったとして業務上過失致死罪に問われた判決公判が平成31年3月25日に行われ、求刑通り准看護師が罰金20万円の有罪判決を言い渡される結果となりました。


世間では「この判決はおかしい」「介護、看護師のなり手がもっといなくなる」という声が多く上がっており、判決に関わった人への批判が相次いでいます。判決を下した関係者や亡くなられた利用者の遺族を悪者扱いする中、筆者はこの判決は正しいと思っています。


介護業界に9年間携わってきた身として「判決はおかしい」と声を大きくして言いたい気持ちはありますが、当然のことだと思います。ただ、責任を負わせる人は間違っていると思います。


あとは、「おかしい」という感想だけで終わってはいけないと強く思いますね。心の中では「勘弁してくれよ」という気持ちもありますが、この判決を見て学びを得なければいけません。

看護師に落ち度はある

インターネット上では「85歳だから遺族は文句言うなよ」「もの詰まらせなくたって亡くなる年齢だよ」「人員不足なんだから事故が起きたってしょうがない」「給料が少ない上に激務なんだから見えるはずがない」という意見が飛び交っています。


しかしです。このような意見は亡くなった利用者、家族にとっては全く関係のないこと。遺族が「人員不足だから亡くなりました」「85歳という年齢なのでしょうがない」と言われて納得するはずがありませんよね。


嚥下機能が低下している利用者にゼリーを提供することが適当だったのにも関わらず、飲み込みが困難なドーナツを間違えて提供したという事実があるのですから、准看護師に落ち度はあります。


飲み込み不良が死亡に直結していなかったとしても、重大なミスであることは変わりません。それを無視して「判決はおかしい」と声をあげ続けるのはナンセンスだと思います。医療・介護現場で働く僕たちは命に関わる重大な任務を任されていることを自覚すべきです。

雇用主の指揮命令に従うのが労働者

今回の事件で責任を負わされたのは現場にいた准看護師。罰金20万円の有罪判決を言い渡されました。これを見た介護現場の職員誰もが思うことは…


「なぜ現場の職員が責任を負わされるの?」ということだと思います。ここまで事が大きくなっているのは労働者である准看護師の責任となっているからでしょう。


実際に准看護師は、喉に詰まらないゼリーを提供する事が決まっていたのにも関わらずドーナツを提供した為、過失があることは事実。しかし、現場の職員がこのような行動を起こしたのは雇用主の管理不足が原因です。


ここまでは深掘りされませんが、人員不足で准看護師が喉を詰まらせた利用者に気が回らなかったのも雇用主の責任です。


今回わかったことは「労働者として働いていても責任を全て押し付けられる」という認識を介護業界全体に与えてしまったこと。一番事故に遭遇しやすい現場職員として働いても、上司や経営者は責任を取ってくれない事がわかりました。


現場で働いていない介護以外の人は責任を取る必要がないでしょうから、ますます介護士になりたい人というのは減っていくでしょう。

人員不足は解消されない

少子高齢化が進む一方でこのような判決があったのでは、人員不足は一向に解消されないでしょう。2019年10月、国は介護士を中心に処遇改善加算を与えるという方針ですが、給与アップだけでは介護士を惹きつけられない現状となりました。

合わせて読みたい

blog.tsumoriwww.com

いくら給与が上がろうと、勤務していれば介護事故に遭う可能性はあって自分に大きな過失はなくて有罪になってしまうことを考えれば、わざわざ激務で薄級の介護士になろうという人は増えるはずがありませんよね。

まとめ

今回は判決に関わった人、医療・福祉の現場で働く人、亡くなられた利用者、家族は悪ではありません。「悪なのは国」という結論を出させていただきます。


冷静にこのニュースを振り返ってみると「責任のある仕事なんだ」ということを再認識しました。普段から人の命に携わっているはずなのに気付かされましたね。


1つのミスで人は死に至ってしまう世界で生きているということを自覚しなければなりません。一見このニュースは医療・福祉に携わる人にとってマイナスなイメージがあると思いますが、現場の人にも責任がある=価値のある存在という風に取れると思います。責任を負わせてくれるほど立場とでも言いましょうか。


また、福祉業界は雇用の受け皿と言われるように、誰でも入ることのできる業界とも言われています。責任のある重い仕事であるというイメージが付いたので生半可な気持ちで転職する人は減るのではないかと思います。


これからは自分の仕事に責任を持ち、根拠のある支援を展開できる人だけが働く業界になっていくのかもしれませんね。これはサービスを利用する人にとっては良いことです。

スポンサーリンク